half

進むために必要なもの全てをポケットにつめた。誰にも取られないように、誰にも見られないように。穴があいていたポケットに。
これじゃあ進めない。必要なもの全部を落っことした。
振り返ってももう遅い、ここは落とした場所からは遠すぎる。道は真っ暗だ。

「ハローハロー、気付いておくれ。ぼくは君の道を照らすランプだよ」

ぼくの中から呼びかける声。道が明るく照らされる。遠くの方に落っことした大切なものたちが見えた。失くした愛・安心の類を探して今行こう。
今まで気付かなかった誇れるパートナーと一緒に。


今度はバッグに詰め込んだ。穴なんて開いていない丈夫なやつだ。でもそれすら誰かにひったくられた。
これじゃあ進めない。必要なもの全部を盗まれた。
追いかけてももう遅い、ここからじゃもう追いつけない。道は凍える寒さだ。

「ハローハロー、聞こえるだろう。大丈夫いつも一緒だよ」

ぼくの中から呼びかける声。探して凍える道が温められる。向こうの方に失くしたバッグが見えた。落っことした愛・安心の類を拾いに今行こう。
今まで気付かなかった頼れるパートナーと一緒に。


「ハートのランプ、ぼくをまた歩かせてくれ」
「変だなぼくは君自身なんだよ。自分が信じられないのかい？」


小さく震える手にマッチを持って、ゆっくりと芯に近づける。闇に凍える自分を救うための最後の術は自分自身の中に。ぼくの中に呼びかけろ。
落としたもの・失くした類・探す道のりも歩ける勇気。
ようやく気付いた、やっと気付いた、自分のパートナーに。当たり前のことに気づいたんだ、自分自身気付かなかった自分自身に。ぼくの中にある情熱のランプはまだ燃え続けてる。
それは涙を乾かす力。


今にもマッチが芯に触れる




＞ＢＵＭＰの名曲って選べない。多すぎて。今聴いてる曲も好きだ。ダイヤモンド。原曲はすごくいい曲だから聴くべきだよ……ぼくが汚しまくってる分。