ラフ・メイカー
ノックの主は言う。
ずっと部屋の中で泣いていた。自分で閉じきってしまった孤独な部屋で。
誰にも認めてもらえないとかそんなことじゃなくて、理由もなく泣きたかったんだ。
泣き声だけが響く部屋にノックの音が転がった。誰だ。ノックの主は言う。
「あなたに笑顔を届けに来ました」
何のことだと思った。笑顔。そんなの、オレには求められなかったものじゃないか。
部屋が涙で濡れていく。久々に大洪水だ。
またノックの音が転がり込んだ。またお前か。そう言うとノックの主は笑う。
「外は寒いんです、入れてくれませんか?」
冗談じゃない、こんな、誰にも会えないような顔をしているのに。消えてくれ、帰ってくれよ。
お前がいると泣けないじゃないか。
「そんなことを言われたのは初めてです……どうしよう、泣きそうだ」
冗談じゃない、お前が泣いてどうするんだ? オレに笑顔をくれるんだろう?
ドアを挟んで背中合わせ。膝を抱えて。泣くのも疲れて、もう泣く気になれない。
泣き声が響かない部屋にノックが転がる。ノックの主は困ったみたく言う。
「あなたに笑ってもらわないと僕は帰れないんですよ。それだけが生きがいなんです」
少しだけくぐもった声。オレは自分の涙に浸かりながら言った。
「今なら部屋に入れてもいいと思う。でもドアが開かない。きっと溜まった涙の水圧だ」
ぴしゃん、ぴしゃん。涙はもう零れないけれど、それでもそれまでに流してきた涙は溜まり溜まって今オレの手元足元でたゆたっている。これだけ泣いていたのか、オレは。
ドアの向こうから返事がない。なんでも良いから言ってくれ。どうした。おい、――まさか。
冗談じゃない、オレ一人置いてあいつ、逃げ出しやがった。信じた瞬間裏切った。
冗談じゃない、逆側の窓が割れる音。木刀持った音の主は、小さな鏡を取り出して言った。
「ほら見てくださいよ。その泣き顔、随分笑えますよ」
呆れたが なるほど 笑えた
>BUMPより。そろそろぼくはBUMPファンに闇討ちされてもいいと思う。ごめん人ちゃんんんん。。。 しかもこれ、やっぱり葬儀屋ネタだから分かる人がいなさすぎるという。なんとなく書きなぐったからちょっと捻じれまくってるし。雰囲気はあれ、某紅葉頭の王様のアニメみたいな「心の部屋」に閉じこもった子と、その部屋のカギを開けようと奮闘する子のお話。鉄パイプが木刀になってるのは仕様。
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チョコを与えればいくらでも長持ちします。辛いものやすっぱいものを与えると途端に溶けます。長期に渡って使用される場合は、一日に板チョコを一枚与え、快適な室温、湿度の部屋に放置してください。さみしくなると勝手についてきます。