half

掌の上に咲く小さな死のひとしずくが、空気に触れて黒く染まっていく。ぱたぱたと指の隙間から零れ落ちていくそれは、かれた私の涙の代わりに地面を濡らした。ぱたぱたと、地面は赤く黒く濡れる。
涙なんてかれた。泣く力も残ってない。掌に満ちるこの命は、きっと彼の体に戻りはしないだろう。ぞっとするくらい軽いその体は、もう動きはしない。

私が深入りなんてしなければ。
時間の存在しないこの世界でしあわせに生きていけたのに。

……しあわせ？

神にしあわせなんて必要だったか。与えられたか、そんなもの。
誰が与えるんだ、神と呼ばれる存在に。私自身に自覚はないけど、ここにいるってことは、そうなんだろう？
私にしあわせなんて、必要だったか。

目の前で彼が崩れる。真正の神たる彼が。目の前で。私のせいで。彼が崩れる。
何も湧かなかった。悲しみも怒りも言葉も涙も。彼がいなくなる、その厳然たる事実は私から根こそぎ全てを奪い去る。何なんだこれ。本当に現実？　悪い夢じゃなくて？　私の幻想じゃなくて？
ぱたりと、彼が誉めてくれた髪から彼の血が滴り落ちた。彼はもう笑ってくれない。彼はもう怒ってくれない。


鎖は外された。私はどこへでも行ける。
彼のいない世界をどこまでも。何一つ色を持たない世界をどこまでも。





＞最近ずっと聴いてる。今日はきーちゃんに楽譜を印刷してもらった。ありがとうきーちゃん。あー、だめだわ言葉が出て来ないー。いかに歌詞と被らずに言葉を選ぶかってのにこだわると話をどこに繋げるかがわからなくなってくるっていう。ライルはもう固まり切っててこれ以上どうしたって言葉を変えられない。通常バージョンは双子疑惑の瞬にする、つもり。配役的にはミィとかが当てはまるはずなのに、何故か役なしの瞬のが近い。あ、瞬の伏線とか全く回収してないっけ。